2018年2月20日火曜日

Strava appを外部センサーなしで使った時の推計消費カロリー

iPhoneに入れたStravaでライドを記録すると出てくるカロリー消費量。和田峠に登りに行った先日のライドでは2,326kcalとの推計でしたが、そのログをHealth appから見ると……

1時間毎のカロリー消費量(StravaのデータをiOS 11.2.6付属のHealthで表示)

あー、これは。単純にログを取っていた時間長だけで推計してるっぽいですね。ライドの途中で入れた大きな休憩(auto pauseで記録は一時停止していた)も考慮されていなさそうです。iPhone内臓のGPSや加速度計を使って勾配の緩急や加減速も加味しながら推計しているのかと思ったら随分と単純な。



Strava.appで走行ログを表示させると標高や速度のグラフが出るので、てっきりそれを使った高度な計算をしているものと思っていました(よく考えればリアルタイムの風向きデータが無い中でそんな手の込んだ計算をしてもあまり意味が無いですが)。

獲得標高は数倍に盛られていますが、最大標高はわりと正確(和田峠は標高690m)。

気圧高度計を持たない装置でログを取った場合、StravaはGPSの位置データと地形データベースを突き合わせて高度を推測しますが、そのデータベースの粗さによって獲得標高が実際より大幅にズレることがあります。

Anderson, E. (2016) Strava’s Elevation Basemap, Strava Support. Available at: http://support.strava.com/hc/en-us/articles/115000024864-Strava-s-Elevation-Basemap (Accessed: 20 February 2018).



最高速度は多分、ビルが密集した場所でGPSの測定誤差が大きくなって出た異常値です。Stravaとは別に使っていたサイクロコンピューターが記録した最高速度は39.4km/hでした。



ちなみにStravaのログ開始・終了時刻もHealth appから見れます。

Healthで表示したStravaのログ。開始・終了時刻の差から旅行時間が分かる。

この情報と、Stravaやサイクロコンピューターのログを組み合わせることで、旅行速度(*)や停車時間比率なども計算できます。今回の和田峠ライドでは、
  • 旅行速度 11.59km/h
  • 停車時間比率 28.4%
  • 停車時間 2時間58分
でした。結構遅め。これは信号の多い市街地をラッシュ時間帯にママチャリで移動したのと同じくらいです。


* 信号待ちや休憩の時間も含めた移動行程全体の平均速度。ロードバイク界隈では「グロスの平均速度」と言った方が通りが良いですね。英語では“gross average; overall average”(停車中も含めた平均速度)、“moving average”(走行中の平均速度)と言い分けるようです。

Gross vs Moving average speed. - Bike Forums (no date). Available at: https://www.bikeforums.net/electronics-lighting-gadgets/1118083-gross-vs-moving-average-speed.html (Accessed: 20 February 2018).



2018年2月21日追記{

StravaのウェブサイトにあるDashboardでも情報が見れますね。私はパワーメーターも心拍計も使っていませんが、それでもモバイル版とは表示項目が少し異なります。
  • 記録開始時刻(年月日、曜日、時:分)
  • 移動距離(km)※小数点第2位まで
  • 走行時間(時:分:秒)
  • 獲得標高(m)
  • 推定平均パワー(W)
  • エネルギー出力(kJ)
  • 平均速度(km/h)
  • 最高速度(km/h)
  • 消費カロリー(kcal)
  • 経過時間(時:分:秒)
赤字がモバイル版では見られない項目です。ただ、記録終了時刻はウェブ版でも見られません。