2014年11月18日火曜日

沼袋とユトレヒトの商店街道路

沼袋1号踏切

西武新宿線の地下化に合わせて拡幅が計画されている沼袋駅北口の商店街です。



送電鉄塔(旧・目白線)


幅員は6メートルほどです。

歩行者も自転車も多い道路です。


路線バスが来ました。

6m幅の道路を2.5m幅のバスが通るとこんな感じです。

路線バスは平日朝7〜8時台は5分間隔、夕方18〜19時台も8分間隔で運行されています。

バスだけでなく、一般の通過車両も多いです。

夕方の買い物時間帯も車の通行は制限されていません。

自転車で来る買い物客も多い商店街ですが、駐輪は規制されています。

歩行者と自転車だけで使う分にはちょうど良い広さの道路ですが……

車が来ると問題が生じます。

実際に商店街で買い物をしているのは歩行者と自転車が主体です。



新しい店舗は自前の土地に駐輪場を確保しています。





歩行者、自転車、車が交錯しており、安心して通行したり買い物したり
できない環境である事がお分かりいただけると思います。

この現状に対して中野区は、西武新宿線の地下化を契機に
道路を6mから14mに拡幅し、歩道と車道に分ける事で
問題を解決しようとしています。

http://kugikai.city.nakano.tokyo.jp/siryo/ekisyuu-ensen/pdf/2011/20110314/20110314-ekisyuu11.pdf
商店街での買い物空間、歩行者空間を考慮して、歩道片側3.5mとし、車道部はバスの相互通行化を可能とするため、2車線の車道幅員7mとして計画する。

しかし、計画では自転車の通行空間が(駐輪空間も?)用意されていません。
道路空間が歩道と車道に分かれて車の通行量・速度が上がれば、
自転車にとっては今よりさらに危険な通行環境になります。
(現在は歩行者の多さが車に対する速度抑制になっています。)

そこまでして通過交通のクルマの利便性を追及する事が、
本当に商店街の為になるのか、街の活気に繋がるのか、私には疑問です。

ちなみに、この商店街と並行する南北方向の主要道路としては、
東に600m行けば都道420号(中野通り)が、
西に1km行けば都道318号(環状7号線)が通っています。


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一方、現在の沼袋と同じく車の危険に曝されていた
オランダ・ユトレヒトの中心市街では、今から半世紀も前に
商店街から車を排除するカー・フリー実験を開始し、

Wagenbuur (2014)
Today 49 years ago, the 6th of November 1965, Utrecht started a large-scale experiment with car free shopping streets.

大成功を受けて実施曜日を拡大しながら、

Wagenbuur (2014)
The end conclusion was that the experiment was a huge success. And the trial would soon be expanded to Wednesday afternoons. The afternoon children did not have to go to school.

数年後には恒久化して現在に至ります。

Wagenbuur (2014)
Within a couple of years all the central Utrecht streets were made car free permanently and they have been like that for over 40 years.

Wagenbuur, Mark (2014) Car free city centre in Utrecht





同じ地球上にこれほど価値観が違う都市が併存しているというのが驚きですね。