2014年9月26日金曜日

相模原市・橋本の名ばかりスクールゾーン

町田街道(三ッ目交差点)から橋本駅方面(橋本四丁目交差点)に抜ける裏道

見通しの悪い交差点を車が次々と通過する



夏に山梨まで自転車で走った時に通った地区です。
電柱を除いた実効幅員は5mにも満たない狭小路ですが、
南北両方向でバッチリ抜け道利用されています。

交差点の見通しは非常に悪く、
真っ黄色に塗られた路面を見て初めて、
そこに交差点が有るのだと気付くくらいです。

制限速度は30km/hに指定されていますが、
これほど安全マージンに乏しい道路では
30km/hでも危険を感じます。せいぜい15km/hかな。

本当にこんな劣悪な環境が通学路なのかと印象深かったので、
ロングライドから帰ってきてから
相模原市の教育委員会の資料を調べてみました。

「平成24年12月 相模原市教育委員会定例会」会議録
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/dbps_data/_material_/localhost/kyouiku/700300/pdf/kaigiroku/h241206.pdf

pdf p. 9
□通学路における安全対策の実施に係る基本方針について

pdf p. 11
具体的な内容ですけれども、その下に書いてありますが、要望に対して対応策を検討してどういったことをやっていこうかというのが、そこに例示してあります。まず、市ができることといいますのが、道路管理者として路面標示の塗り直し、それからカーブミラーの設置などです。それから、教育委員会としては、ソフト面の対応になりますけれども、学童通学安全指導員なども配置できるところはしていきましょうということです。それから、警察には、信号機の設置横断歩道の設置をお願いしているところでございます。
これは危険度が最も高いAランクと判断された地区の事故防止策です。
尤もらしい対策が並んでいますが、車の通行を制限する方向には
1ミリも努力していません。


pdf p. 11
それから、Cランクでございますけれども、内容としましては、信号機とか横断歩道が既に設置されているなど、ハード面の対応がもう難しい、これ以上の対応についてはソフト面で対応していく必要があるだろうという箇所でございます。このCランクについては、教育委員会が学校長と協議して対策を検討していく必要があります。内容につきましては、学校では通学路の変更、変更できるところは変更して、安全なところを通る。それから、安全教育を行っていただく。安全指導を実施する。それから、見守り団体と連携していく。教育委員会の対応としましては、学童通学安全指導員を配置していく。警察に安全指導をお願いする。こういった対応内容を検討していこうということでございます。
「ハード面の対応がもう難しい」って、電動ボラードは? 
Cランクも同じで、車の利便性を優先順位の最上位に据えたままです。
どの対策も受動的ですね。

「子供の命 < 大人の利便性」

これが相模原の大人たちの偽らざる本心なのか。



もう一つ資料が有ります。

橋本地域まちづくり会議(2008)
『橋本地域まちづくり提言書』
http://www.city.sagamihara.kanagawa.jp/dbps_data/_material_/localhost/kikaku/110500/pdf/07hasimoto.pdf

p. 12 (pdf p. 16)
①安全で人にやさしい道づくり
・誰もが安心して通行できる生活道路等の環境の向上を図る。
取り組み―通学路・狭あい道路等の拡幅、自転車道・歩道の分離、歩道段差の解消、通過交通の進入規制、右折レーンの設置など
「自転車道・歩道の分離」は良い。「歩道段差の解消」も良い。
「通過交通の進入規制」にまで言及しています。やるじゃないか。
と思ったら、

「通学路・狭あい道路等の拡幅」

これは違うでしょ。車の侵蝕を助長する策を打ってどうする。 
狭隘路は車の通り抜けを抑える抵抗器として活かさないと。



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関連書籍
『世界が賞賛した日本の町の秘密』
チェスター・リーブス(著)、服部圭郎(訳)、2011、洋泉社