2014年5月13日火曜日

カンパと歴代デュラのブレーキレバー比較

ST-9000 と Athena Ergopower

いろんなブレーキレバーの横顔を比較してみました。



ブレーキレバーの先端とピヴォットの位置関係を
一致させて画像を重ね、比較していきます。
(但し、互いの縮尺が一致していない可能性が有ります。)

ST-7700 と ST-7800

ST-7800 の方が頭でっかちになっています。
見た目はモッサリと不細工になりましたが、
この大きさのおかげで「ツノ」部分は握りやすくなっています。

ST-7800 と ST-7900

ST-7900 は変速機構がブラケットの根元に内蔵され、
量感が「ツノ」から根元に移りました。
カンパニョーロ寄りの形ですね。

ST-7900 と ST-9000

ST-9000 は、カンパ寄りだった ST-7900 から
昔の ST-7700(や ST-7400)に似た形に回帰しました。

ブレーキレバーのピヴォットは、ブラケットポジションに
置いた手との上下方向の距離が縮まったようです。

ブレーキレバーは直線的にシュッと落ちる形ですが、
ブラケットポジションからブレーキレバーを
引き比べてみると、ST-7900 よりは若干引きやすいものの、
Ergopower と比べると明らかに劣ります(店頭で握り比べた印象)。

尤も、この直線的なブレーキレバー形状については
否定的なレビューを全く見掛けないので、
大抵の人にとっては問題無いのかもしれません。

ちなみに私の手は、自転車用手袋ならメンズMサイズ、
橈骨茎状突起から中指先端まで(*)は18cm弱です。
* AIST 人体寸法データベース(1991-1992)の「C9 手長」の定義に拠る。

ST-9000 と Athena Ergopower

シマノとカンパの現行機を比べてみました。
コンポ全体も含めた変速性能や剛性感はシマノの圧勝ですが、
ブラケット・ポジションからのブレーキレバーの引きやすさなら
今でもカンパが優位性を保っています。

カンパのブレーキレバーが引きやすい理由は、
  • ピヴォットのすぐ下でレバーが前方に湾曲している
    (→ 指を掛ける位置の角度が後傾する)
  • 手を置く位置とピヴォットが前後方向で離れている
    (→ レバーを引く指の角度が水平に近くなる)
これによって生み出される絶妙な角度が、
レバーを引く指の力を効率良く受け止めてくれます。

対してシマノの ST-9000 は
  • レバーに湾曲が無く、直線的にシュッと落ちている
    (=指を掛ける位置の角度が前傾する)
  • 手を置く位置とピヴォットが前後方向で近接している
    (=レバーを引く指の角度が垂直に近くなる)
で、レバーを引く指の力が上方向に逃げて無駄になります。


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以下は合成前の画像(透過背景)です。
レイヤー対応の画像編集ソフトで重ねれば
そのまま形状比較ができます。
ダウンロードしてお使いください。

ST-7700

ST-7800

ST-7900

ST-9000

Athena Ergopower


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今回の記事で使った元画像の出典

ST-7700
http://3.bp.blogspot.com/_Xt_xKF8j67Q/TUlPEWaiPpI/AAAAAAAAAmQ/v9ihA8MmPsg/s1600/P1110281.JPG

ST-7800
http://ecx.images-amazon.com/images/I/41-0fEC0QiL._SL500_.jpg

ST-7900
http://www.erdoganlarbisiklet.com/media/catalog/product/cache/2/thumbnail/5e06319eda06f020e43594a9c230972d/2/7/27460_1_shimano_duraaceschalt__bremsgriffstist_79002__10_fac.jpg

ST-9000
http://media.performancebike.com/images/performance/products/1500/50-0828-BLK-FRONT.jpg

Athena Ergopower
http://www.campagnolo.com/repository/fotoprodotti/img/AT_tripla_ergo_500.jpg