2013年3月20日水曜日

再帰反射テープの取り付け高さ

自転車の後面に再帰反射テープを取り付ける場合、
その高さは低い方が良いのか、高い方が良いのか。
CADでシミュレートしてみました。



結論

単純にドライバーの眼球に到達する光の量で考えれば、
低い方が良いです。


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以下では、自転車の後端から車の前端まで10m離れた状況で、
反射材の高さを地上から50cm, 100cm, 150cmと変えて
CAD上でシミュレートしています。

ヘッドライトから放たれた光が反射して
ドライバーの眼球に戻って来る時に、
往復の光線が為す角度(= 観測角)を調べてみました。

再帰反射テープは基本的に光の入射方向に光を反射するので、
観測角が大きいほど、反射光の筋から外れてしまい、
見えにくくなります。

地上50cmだと1.76度です。(クリックで拡大)


地上100cmだと2.17度です。(クリックで拡大)


地上150cmだと5.52度です。(クリックで拡大)


車のヘッドライトはドライバーの眼球よりも低い位置に有るので、
再帰反射テープは低い位置に貼り付けた方が
観測角を小さくできる事が分かります。

もちろん、車間距離が50m, 100mと延びれば観測角の差は小さくなりますが、
反射テープが低い位置に在れば、ロービームでも良く反射します。



なお、上の図面の内、車の部分は車の塗り絵・CADデータからプリウスを借用し、
自転車の部分はヤマト運輸の配達用自転車の写真をトレースしました。

(スポークを描かないとディスクホイールのようだ……)



さて、現実の取り付け例をクロネコヤマトの自転車で見てみましょう。

どちらも低めの位置に取り付けられています

しかし反射テープは細いパイプに巻いてあるので、
光を反射できる面積はかなり限られてしまいます。
照射角が大きいと反射できない。)


反射板は内側を向いてしまっていますね。
これでは後方に反射できません。



どちらも、夜間に真後ろから光を照射しても、
赤や黄色の反射板・テープがほとんど目立ちません。
高さは適正ですが、これでは駄目ですね。

これを題材に改善のシミュレーションをしてみましょうか

反射テープをこう貼ると効果的なはずです